皆さま、こんにちは。
今回の「ほぼ月刊 牧雄チャンネル 第7号」では、三学期の始業式でお話したことを掲載します。式の最後には、大学受験に挑む高校3年生の皆さんに向けて、恒例?の「We shall overcome」を歌いました。この歌が、何かの目標に向かって努力しているあなたや、人生の困難と闘っているあなた、さらに、こちらのブログをご覧の皆さんの中には中学受験を控えている方もいらっしゃると思います。そのようなあなたへの応援歌となりましたら幸いです。
【三学期始業式のメッセージ】
皆さん、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
少し歩き方がぎこちないのですが、新年早々やってしまいました。ギックリ腰です。今もコルセットを着けているので、何とか痛みを抑えることができている状況です。皆さんは健やかに新年を迎えることができましたでしょうか。
二学期の終業式ではあなたの「新しい景色」を持つことを宿題にしました。宿題はしてきましたか。
また、1年前、昨年の三学期の始業式では、今年の抱負、目標を持つことをお勧めしました。そして、目標達成には次の6つのことが大切とお話しました。①あなたの理想に近づく目標であること、②具体的な目標であること、③目標が高すぎない=実現の可能性があること、また、その目標を実現するために、④達成までの期日を決めること、⑤目標実現のために何をどうするのか具体的な取り組みを一つひとつクリアすること、⑥そのチェックをしたり、進み具合を確認し、振り返ることが大切ですとお話しました。
昨年目標を立てた人は、その目標を達成したり、目標に近づくことができたでしょうか。今年も新年の最初に、今年の抱負、目標、あなたの「新しい景色」を持つことをお勧めます。
私の目標の一つは、皆さんが安心して通うことができる三輪田学園にすることです。皆さんが自分の可能性を広げることができる三輪田学園にすることです。私たち三輪田学園の教職員は、皆さん一人ひとりに幸せになって欲しいと心から願っています。しかし、三輪田学園が皆さんを幸せにすることはできません。幸せはあなた自身の手で掴み取るものだからです。私たちにできることは、皆さんが幸せを手にするための教育をしっかりと提供すること、そのための環境を整備することです。新年最初、三学期の始業式に、まず、皆さんが安心して通える三輪田学園にすること、自分の可能性を広げることができる三輪田学園にすること、そのために三輪田学園は教育を提供し、環境を整備することを約束します。
お正月はギックリ腰になったこともあり、ほぼ寝正月でしたので、教育に関する本を読んだり、動画を見たりしていたのですが、何人もの教育関係者、研究者に共通していることがありました。それは、これからの社会で必要とされる人間像です。これまでは、どの教科も平均的にある程度そつなくこなす、そのような人が必要とされ、高く評価されてきました。しかしこれからは、何か一つ、得意な科目や分野を持つ、そういう人が求められる、そのような社会になっていくということです。
私は、どの教科も平均以上で、何でもそつなくこなすという力も立派な力だと思います。また、多くの研究者が言うように、あれは苦手でこれは不得意だけれど、この教科は得意、教科に限らずこれには自信がある、これは任せて、そういういう得意分野を極めるのでもいいと思います。目標を持ち、その目標に向かってチャレンジをしてください。三輪田学園はチャレンジする皆さんを、自己を更新しようとする皆さんを、自分の最長不倒距離に挑む皆さんを心より応援します。
先ほど、三輪田学園は、教育環境を整備しますと約束しましたが、明日、1月11日(水)から、中学3年生以上の希望者が、夜の7時まで学校に残って勉強できる体制を整えます。
この放課後自習室・放課後学習室の実現の背景には、高校生からの要望がありました。クラブ活動が終わる5時30分以降も学校に残って勉強できるようにしてください、そういう皆さんからの要望がありました。当然ですが、教員にもプライベートな生活があり、家庭があります。そういう中においても、皆さんの要望に応えようということで、教員が当番制で残り、皆さんを応援することにしました。日によっては、補習を行うこともあるかもしれません。皆さんの要望から始まる放課後自習室・放課後学習室です。皆さんの積極的な参加をお待ちしております。中学1年生と2年生は夜の7時まで残ることはまだできませんが、2年生はあと1年、1年生はあと2年お待ちください。今は5時30分までの「まなびクラブ」の時間を有効に活用してください。
中3以上の生徒で、今年の目標を持っていない人にお勧めします。例えば、クラブ活動が終わった後は必ず残って勉強する、という課題を自分自身に課してはいかがですか。例えば、宿題は学校で終わらせることを自分に課してはいかがですか。例えば、得意科目は90点以上とる、そのために放課後学習に週に4回以上参加するというのはいかがですか。三輪田学園はチャレンジする皆さんを心から応援します。
( 中 略 )
さて、今日は三学期の始業式です。三学期の始業式では毎年、大学受験を控えた高校3年生を激励することになっています。高3生をはじめとする、「自分の未来を、自分自身で切り拓こうとしているあなた」、「未来に羽ばたくために、自分の翼を鍛えているあなた」そのような皆さんを励ます歌を歌います。
私は毎年、高校3年生の政治・経済を担当していたのですが、政治・経済の授業で毎年聴いた曲の一つに「We shall overcome」があります。直訳すれば、私たちは打ち勝つ、乗り越えるという意味で、日本では「いつの日にか勝利を」とか「勝利を我らに」と呼ばれています。歌の起源は、アメリカのアフリカ系の人たち、黒人たちです。アフリカ系の人たちは奴隷とされ、時に暴力を受け、長い間、差別に苦しんできました。現在でも、Black Lives Matterに代表されるように、差別はなくなっていません。その黒人たちが、口ずさんできたものがこの歌の原型となりました。1960年代、差別に抵抗してきた黒人たちだけでなく、アメリカ政府の差別政策に反対する白人も一緒になって、彼らのよりどころ、心を一つにするために歌われたのが「We shall overcome」です。
ここでのshallは強い意思を表します。私たちは「きっと」overcomeする。打ち勝つ、乗り越える、差別のあるこの社会を乗り越えて平等という勝利を勝ち取るという意味です。受験という大きなハードルの前に立つ高校3年生には、私は毎年、「We shall overcome」を「You shall overcome」としてエールを送ってきました。今日も高3生の皆さんに「You shall overcome」あなたならできる、乗り越えることができる、そして、その時はもう目前に迫っているとのメッセージを込めて歌います。もちろん、受験だけではありません。何かの目標に向かって努力しているすべての三輪田生へ、そして、今、人生の困難と闘っているあなたへ「You shall overcome」です。
今日は「We shall overcome」を2回歌います。1回目は「You shall overcome」あなたならできる、と頑張っているあなたへの応援歌として、そして、2回目は、「We shall overcome」私たちならできる、と歌います。
We shall overcome
You shall overcome
You shall overcome
You shall overcome someday
Oh deep in my heart
I do believe
You shall overcome someday
We shall overcome
We shall overcome
We shall overcome someday
Oh, deep in my heart
I do believe
We shall overcome someday