2025年1月22日(水)の午後、英国大使館の外交官であるエミリー・メテンス氏をお迎えし、本学園にて「外交官プロジェクト」を開催しました。多文化的な背景を持つ彼女の経験と洞察は、生徒たちにとって大変刺激的で、視野を広げる貴重な機会となりました。
スクールツアーから始まった特別な一日
講演に先立ち、本学園の中学2年生英語HUBの生徒たちがエミリーさんを英語で校内を案内しました。調理室、図書館、体育館、イングリッシュラウンジ、談話室といった施設を紹介し、生徒たちは英語でのコミュニケーション力を活かして丁寧に説明しました。エミリー氏は生徒たちの歓迎とホスピタリティに感銘を受け、ツアーを楽しんでくださいました。
多文化的な背景と日本との縁
エミリーさんは、イギリス人の母とベルギー人の父のもとに生まれ、ルクセンブルクのインターナショナルスクールで学びました。家庭ではフランス語と英語が話され、幼少期から多様性に触れた経験が自分の視野を広げたと語りました。
日本との関わりは、任天堂のファミコンに「Made in Japan」と書かれていたのを見たことがきっかけで興味を持ち、大学で日本語を専攻。日本の大学に留学した経験もあります。
キャリアと国際経験
大学卒業後、名古屋で3年間英会話の先生を務めましたが、2011年の東日本大震災で一時帰国を余儀なくされました。その後、オーストリアのウィーン大学院で国際関係を専攻し、英国の環境省や外務省で国際政策に関与しました。
特に、2019年からは日英関係の政策コーディネーターとして活躍し、広島サミットや環太平洋経済連携協定(TPP)交渉、Hiroshima Accordにも関わりました。また、大阪万博での英国パビリオンの準備にも携わっています。
日本での印象と共通点
エミリーさんは、日本での4年間の滞在を振り返り、日本と英国が同じ島国である点や、日本人がマナーを重んじ、直接的な言い方を避ける文化が英国と似ていると感じたと語りました。
また、日本の電車が静かで清潔であることや、日本人の勤勉さも印象に残ったそうです。さらに、イギリスのお店の営業時間が短いことを挙げ、日本のコンビニ文化は日本人の勤勉さを象徴しているのではないかとユーモアを交えて述べられました。
プライベートではロンドンのよさこいチームに参加し、高知や原宿のよさこい祭にも積極的に参加。国際的な交流を深める一環として、日本の伝統文化にも触れているそうです。
講演会後の質疑応答
講演会の後には質疑応答の時間が設けられ、生徒たちから多くの質問が寄せられました。エミリーさんは、イギリスの朝食や観光地から、外交官の仕事や国際的な経験に関することまで、一人一人の質問に丁寧に答えてくださいました。
エミリーさんの講演を聞き、さらにスクールツアーや質疑応答を通じて直接交流できたことは、生徒たちにとって国際社会で活躍するための心構えを学ぶ貴重な経験となりました。彼女の多文化的な経験と他者を尊重する視点は、未来を切り拓くための大きなヒントとなったことでしょう。