高校1年生のLABでは、EARTH COMPANYの方をお招きし、「三輪田学園から未来を変える 世界と自分の今をつなぐ授業」と題して、講演をしていただきました。
EARTH COMPANYは、リジェネラティブな未来を創る類稀な変革力を持つアジア太平洋のチェンジメーカーの支援(インパクトヒーロー支援事業)や、リジェネラティブな未来を創る人を育成する研修プログラム(インパクトアカデミー事業)を実施している団体です。
世界で気候変動の影響(干ばつ、山火事、豪雨など)に苦しんでいる人の数は数え切れません。
そうした気候変動の原因は人間の活動によるものであることは既に明らかにされています。
今日の講演では、ファッション業界を例に取り、私たちの行動が世界に与える影響、そして未来を変えるためにはどうしたらよいか、ということをお話しくださいました。
ファッション、国際航空、海運の中で、一番CO2を多く排出している業界はファッション業界だといい、航空と海運による排出量を足してもなお、ファッション業界の方が排出量が多いのだそうです。
その背景には、洋服はその生産から廃棄に至るまで、どの段階においてもCO2の排出を伴うことがあります。洋服1枚が作られるまでに排出されるCO2は平均して25.5kg、これはなんと買い物用ビニール袋約765枚(2年間毎日スーパーで買い物をするときにビニール袋を1枚買って使う枚数!!)と同等だそうです。その上、現在世界には、7世代先(約500年後)までカバーできるだけの衣服が存在しているそうです。(とは言え、500年後に現代の服はきっと着られません。500年前、室町時代の服を私たちが今着るかと考えるとNOです)
こうした“大量生産・大量消費”の現状は、1950年と比較してCO2の排出量640%増を引き起こしています。その影響を一番に受けるのは太平洋の島嶼国の人々。
気候変動は単に「環境問題」を超え、「人権問題」であるとおっしゃっていました。
洋服を新しく購入するとき、気候変動を増大させたい、と思っている人はいないはずですが、結果的には影響を与えてしまっています。
私たちの生活は世界と切り離すことはできないのです。だからこそ、今、そして未来に、どうしていけばよいかを考える必要があります。
私たちは1日に35,000回の「選択」をしているといわれています。
日本人が1年間に買っている服は約18枚、手放す服は15枚、つまり9割は1年のうちに手放す計算ですが、その行動を、例えば店舗の回収ボックスに持っていく、フリマアプリや古着屋を利用してリユースする、サブスクを利用するなど、「選択」を変えるだけでも課題の解決に寄与することができます。
3.5%の人間が変わると世界は変えられる、本校の高1生でいえば6人が変われば世界を変えることが出来るそうです。
それぞれが「生きたいと思う世界」を実現するために、行動を見直してみたいと思いました。
高1生はこの後、各々がテーマを設定し、探究を行っていきます。
今日の講演で伺った内容をヒントにしつつ、自分の好きなことや興味関心をベースに、身の回りの課題を見つけ、探究を進めてもらいたいと思います。