6/22(土)、高校1年生・2年生の14名が、立教大学異文化コミュニケーション学部主催の、Transnational Cinema Symposium 2024(TCS2024)に参加しました。
TCSは今年で10年を迎える映画シンポジウムで、東アジアの映像作品を中心に、トランスナショナリティや多文化社会における共生等を含む、歴史や社会に対する考察を行ってきました。
今年のテーマは、『張律×尹東柱—境界を超える言葉と記憶』。張律監督の『福岡』(2019)および『群山』(2018)という2作品の上映に加え、張律氏と、作家の戸田郁子氏、上映作品の配給会社CEOの今井太郎氏、李香鎮教授による座談会が行われ、世界的に有名な監督のお話を直接伺うことができる、非常に貴重な経験となりました。
今回の上映作品はいずれも、はっきりとした起承転結のない、ファンタジー要素を含んだ、空間と時系列を行き交う構成。
余韻や含みが多く、見終わった後には、映画という迷路の中に迷い込んだような、不思議な感覚に捉われました。
座談会では作品作りに関するお話や、作中に登場する尹東柱(韓国の国民的詩人であり、立教に留学していた時期もありました)についてのお話などがありました。
監督によって何から作品作りを始めるかは異なりますが、張監督の場合は、「空間」から始まるスタイルで、作品タイトルも空間や地名を用いることが多いそうです。
確かに「空間」に重きを置いていることが非常によくわかるカメラワークが多かったように感じました。
また、「知っているほど見えてくる」という韓国語の慣用表現がまさに当てはまる要素が様々なシーンに散りばめられている、と戸田さんがコメントされており、作中の多重言語の構成も含めて、そこには張監督のバックグラウンドが大きく影響しているのだろうと考察されていました。
また、今井CEOがご自身の経験から、「かつては様々な国・地域を訪れ、様々な人と触れ合うのが異文化交流だと思っていたが、異文化交流には必ず歴史の認識が伴うことを痛感した。」と話されていたのが印象的でした。
この”歴史の認識”というのはTCSの意義でもあります。
映画上映と座談会合わせて6時間という長丁場でしたが、非常に充実した時間でした。
シンポジウムの前には学食での昼食とキャンパスツアーも実施。
キャンパスツアーではチャペルや図書館の中に入って、見学させていただきました!
チャペルでは美しいパイプオルガンの音色に癒され、128万冊の蔵書を誇る図書館ではその規模に圧倒されました。
大学での学びやキャンパスライフを体験できた一日でした。